皆さん、こんにちは!コンサルティング事業部の濱中です。 これからコラムを通じて、皆さまに役立つ情報をお届けしてまいります。主観的な部分もあるかもしれませんがどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は「マイナ保険証」についてお話しします。
 
 

マイナ保険証とは

マイナ保険証は、マイナンバーカードを取得し、事前登録を行うことで健康保険証として利用できる仕組みです。医療機関や薬局で利用可能で、健康保険証の資格確認がスムーズになります。また、以下のようなメリットがあります。 

  1. データに基づくより良い医療の提供
  2. 高額療養費の手続きが不要になる
  3. 医療費控除の申請が簡単になる
  4. 医療現場で働く人の負担が軽減される

このようなメリットがあります。

では、一つずつ分かりやすく解説していきます。
 
 

 【マイナ保険証のメリット】データに基づくより良い医療の提供

マイナ保険証は、受診時に情報提供に同意することで、処方された薬の内容や特定健診の情報が登録されます。マイナ保険証の情報登録のこの仕組みにより、初めて受診する医療機関でも登録されたデータを医師や薬剤師が確認でき、スムーズかつ適切な医療を受けることが可能です。 
 
 

【マイナ保険証のメリット】高額療養費の手続きが不要に

従来、高額療養費制度を利用するには、医療機関や薬局で一度全額を支払った後、支給申請を行う必要がありました。また、「限度額適用認定証」を事前に申請することで、窓口負担を抑える方法もありましたが、申請が間に合わない場合は一時的に高額な医療費を支払う必要がありました。 

しかし、マイナ保険証を利用することで、「限度額適用認定証」がなくても、高額療養費の限度額を超える医療費の支払いが不要になります。ただし、マイナ保険証を使用しても入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外です。 
 
 

【マイナ保険証のメリット】医療費控除の申請が簡単に

これまで、医療費控除を受けるためには医療費の領収書を保管し、確定申告時に「医療費控除の明細書」を作成して添付する必要がありました。しかし、マイナポータルを利用することで、医療費通知情報を管理でき、e-Taxと連携することでデータを自動入力することが可能となります。マイナポータルとe-Tax連携のこの仕組みにより、医療費控除の申請が簡素化されます。
 
 

【マイナ保険証のメリット】医療現場で働く人の負担軽減

医療機関や薬局では、これまで患者の健診情報や薬の相互作用を問診で都度確認する必要がありました。また、保険資格情報の確認は健康保険証を目視し、手入力する作業が必要でした。 

マイナ保険証を利用し、情報提供に同意することで、特定健診や薬の情報が医師や薬剤師にスムーズに共有され、業務の効率化が図れます。また、マイナ保険証は、資格確認を顔認証付きカードリーダーで行うことで、資格情報が自動取得され、事務作業の負担軽減や誤記リスクの低減にもつながります。 
 
 

【マイナ保険証】今後の移行スケジュールと注意点

マイナ保険証にはメリットが多くありますが、顔認証付きカードリーダーの導入がまだの医療期間や薬局が多くあるのが現実です。

また、2024年12月2日から、現行の健康保険証は新規発行されず、マイナ保険証が基本となります。ただし、マイナ保険証への移行後も現在の健康保険証は有効期限内(最長1年間)使用可能です。後期高齢者医療保険加入者の有効期限は2025年7月31日までとなります。 

なお、マイナ保険証の登録が未完了の場合でも、加入する保険者から無償で「資格確認書」が交付されます。この「資格確認書」で受診は可能ですが、有効期限は5年以内に設定されるため注意が必要です。 
 

以上、今回はマイナ保険証について解説しました。次回はさらに詳しい情報をお届けしますので、ぜひご期待ください! 
 
 

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濱中 浩孝  コンサルティング事業部 ディレクター 
(診療情報管理士・医療メディエーター、全国医事研究会理事)
大阪府出身、府立高校卒業後、民間会社に就職し、バイク事故をきっかけに民間病院に転職。その後、医療事務委託会社で新規病院立ち上げ、コンサルティング業務、スタッフ教育を担い、地方独立行政法人病院(急性期768床)の医事課長、公的病院(急性期670床)の事務部長を経て、令和6年4月より現職。

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